こんにちは、CYCLE-CEARCH 代表の京(きょう)です。
先日、知人から突然の連絡があり、ソーラーバイシクルレースが秋田の大潟村で開催されているとのことで今回初めて観戦しに行きました。
自転車と無関係かと思いきや、色々と考えるキッカケとなったイベントだったのでその時のレポートと感想などをご紹介したいと思います。
ソーラーバイシクルレース概要
今回初めて観戦したのは、「WGCソーラーカー・ラリー」「WGCソーラーバイシクル・ラリー」と言って、秋田県大潟村で毎年夏期に開催されているレースイベントで、今回でなんと27回目を迎えるそうです。(WGCは、ワールド・グリーン・チャレンジの略称)
今回観戦したのは「WGCソーラーバイシクル・ラリー」の方ですが、レースは大きく2つに分かれています。
- ソーラーカー・ラリー
- 3〜4輪の車両で、3日間合計25時間の周回数を競う耐久レース
- ソーラーバイシクル・ラリー
- 2〜3輪の車両で、1周25Kmのコースを4周し所要時間の短い順を競う
※各参加車両に規制(レギュレーション)はありますが、おおむね2つのレースで日程を分けているようです。
ソーラーバイシクル・ラリーの参加チームを見学
今回のソーラーバイシクル・ラリーの参加台数は12台で全台同時にスタートします。
当日は曇りの天気でしたが、無風状態になり絶好のレース日和になりました。
このソーラーレースを教えてくれた知人のご友人が大会に参加しているということでしたので、そのチームメンバーを紹介してもらいました。
実はそのご友人はアメリカからの参戦しているアメリカの方で、そのアメリカ代表である「Hizashi」チームの様子を近くで見学することができました。
突然の訪問でしたが、「Hizashi」代表のCindy Kvaleさんと、そのチームメンバーがとても暖かく迎えてくれました。
ソーラーバイシクルの形は?
バイシクルレースの車両は大きく2つのタイプがあります。
前回、バイシクルレースで優勝した「GLANZ」チームの車両はバイシクルタイプで、50W以下のバッテリーと人力で疾走します。
愛知総合工科高校専攻科の3輪タイプの車両はカッコ良くて、ソーラーエネルギーのみで太陽電池⒈2㎡以下で滑走できるそうです。
AM9:00に全台一斉にスタートし、初めは全台とも順調に素晴らしい走りをしていました。
しかし周回を重ねると、力の差がはっきりとしてきます。
前回1位だった「GLANZ」チームは、1周をなんと平均時速50kmで走っていて、目標は2時間30分を掲げていて、通常のスポーツ自転車の2倍近いスピードで駆け抜けます。
2位以下は車両タイプは様々で入り乱れて走っており、この日はとても暑い日だったのでライダーがとても暑そうにしているのが印象的でした。
アメリカ代表の「Hizashi」チームはトラブルもなく順調に走っていました。
「Hizashi」チームの車両は、ソーラバイシクルとしてはベーシックなタイプで、最高速は時速60km出るそうです。
スペックとしては、モーターが前輪ハブ(中心部)に付いていて、バッテリーは車両後方のソーラーパネルの中心に置き、周りをソーラーパネルで覆う形状で、ハンドルや車体はロードバイク用のものを流用していたので、サイクルエンジニアを目指している私としては、とても興味深く拝見しておりました。
まとめ
今回は残念なことに私の都合で観戦を中盤で切り上げる事になってしまいましたので、来年は全てのレースをしっかり観戦応援したいと思います。
実は今回ソーラーカーレースを観戦していていくつか考えていたことがありました。
東日本大震災により原発事故による稼働停止によって、震災以降はエコロジーの重要性を問われてきました。
中でもソーラーエネルギーは、エコロジーの観点からすれば非常に優れた自然エネルギーのひとつです。
ソーラーエネルギーは震災以降は特に政府主導によって大きく拡大してきましたが、最近では売電価格の値下もあり拡大に歯止めがかかる傾向にあります。
それが影響しているかは定かではないですが、年々ソーラーカーレースに出場する車両は減少しているそうです。
なので初めてこのレースを観戦した率直な感想としては、近年ではソーラーパネル、エコカー、電動自転車でも高性能なモノが市販されているので、ソーラーパネルにとらわれない形の規制(レギュレーション)の見直しが必要だと感じました。
ソーラーパネル自体は随分前からある技術で、それ自体はお世辞にもイノベーションを起こすような新技術とは言えないでしょう。
やはり今なら光エネルギー・燃焼エネルギー・風力エネルギーなど様々な物を高いレベルで競争すべき時代に来ているのかとも感じていますし、さらに新たな自然エネルギーを使用したレース環境があるのが理想的だと感じました。
もちろん言うは易し行うは難しですが。。。
近年日本の高齢化が進み、お年寄りが免許返納をしたという話も多く聞くようになっていますが、移動手段が車しかない地方では重大な交通インフラの問題を抱えています。
もし新しいエネルギーを活用したスマートモビリティがこの大会をキッカケにして生まれれば、地方の問題などの解決の糸口になるかもしれないと思います。
今回、観戦にお誘いいただいた伊藤先生、それから見学に協力して頂いた関係者の皆様に感謝致します。